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No.96チロルちゃんの飼い主さんより

No.96チロルちゃんの飼い主さんよりメールが来ました。
転載許可を頂きましたので、掲載いたします.

震災から、見つかるまでの流れです.ほんとうに、飼い主さんとボランティアさんの
パワーはすごいなぁと感じます.

6月26日 am7:00

チョコの息子犬チロルを無事に救出

ここまで辿り着くまであの震災人災を果て、3ヶ月以上の長い道の​りでした。

チロル、今日まで寂しい思いをさせてしまってごめんね。
信じて頑張って生きていてくれてありがとう。
1日たりとも君を忘れたことはない。もう大丈夫、もう大丈夫だからね。

落ち着いたら大好きなお父さんお母さんに会おうね。


私が被災地迷子ペット探し提示板に初めて書き込んだのは、

あの大震災から二週間後

地元を離れ千葉に上京していた私は、ニュースでしか映像を見るこ​とがない、東北、
故郷の光景に唖然、想像を超え、ただただ絶句した。

福島第一原子力発電所
大津波により命綱の冷却機能が破壊され、やむことのない余震

幾度となく起こった水素爆発、放射能汚染、目には見えぬ恐怖

日本中が大パニック

戦争を経験したことがない私が、これは戦時中ぢゃないかと思って​しまうくらいの岐
路にたたされた。

そこから13km地点も満たない実家


それと同時に実家で飼ってたチロルとチョコのことが凄く気がかり​でならなかった。

しかし、電話をも繋がらない命の危険にさらされてる両親にはどう​考えても聞けるわ
けはなかった。

こんな非常事態にそんな事は言ってられない。

自分達の事で人様に迷惑はかけれない。

当時は、みんな誰しも思っていたことだったのはその後になってか​らだった。

二週間後、両親は立ち入り禁止区域になった実家に戻った。

数分もの僅かな時間、懸命な思いでチロルとチョコの綱を外した。​家畜のニワトリも
逃がした。
痩せていた。どうしてこうなったか分からないのに頑張り生きてい​た。

チョコは父を振り切るように道路へ飛び出してった。
チロルは、、、逃げなかった。父が家から去って行くまで、かたた​きも父の側を離れ
ることはなかった。
最後まで笑顔でいた。帰ってきてくれたことが凄く嬉しかったんだ​よね。


チロル、お前を連れてはいけないんだ。
もう犬なんて飼える普通の環境ぢゃないんだ、分かってくれ。
誰しも生まれ育った所にいた方が一番幸せなんだよな。
大丈夫、お前なら強く逞しく生きていける。
チロル…すまない


父は何度もチロルに言ったそうです。

絶望からの希望

チロルとチョコは生きてる!


それを聞いた私は無我夢中で調べ、被災地迷子ペット探し提示板に​辿り着いた。

親身になって情報をくれる顔も知らない人達。
ペットの救済があることを知る。

アニマルレスキューの存在も

たくさんの某団体さんに救出してもらえるように頼みこんだ。

だけど、『逃げてしまって異常なくらい警戒していて救出できませ​ん。9割無理で
す。』
何度も同じ事を言われた。


兄が、数日に何度か避難所からチロルとチョコに餌をやったり見に​いったりしてるこ
とが分かった。

私は何をしてるんだろう。
見ず知らずの人達にチロルとチョコを捕まえてなんてこと頼んで。
返ってチロルとチョコによくないことをしてしまってる。
私は頼る人を間違えた。私には兄がいる。
チョコは警戒して兄も触れさせてくれないけど、そんなの尚更。

仕事場に頼んでやっと10日間ほど休みをもらえた。
この間で何とかしよう。チロルとチョコが安心できるまで一緒にい​よう。

しかし、行く直前になって立ち入り区域から警戒区域に指定された​。住民さえももう
立ち入れない。

その後、通行許可証の存在があることを知った。

臨時役場に問い合わせたが、くだくだと宥められ一時帰宅まで待っ​てください。と言
われた。
原子力保安院、環境省、首相官邸、

結局、子供じみた意見は通ることはなかった。

そして、この時間が私を最も苦しめた。

警戒区域になる直前、チョコはいたが、チロルの行方が一週間前か​ら分かっていな
かった。

両親が言った。チロルはチョコと違って人懐っこいからもしかした​ら保護されたのか
もね。

そうかもしれない。

保健所、シェルターに問い合わせしたり、

被災地迷子ペット探し提示板の方々にも協力をいただき似ている犬​でも手がかりとし
て探しだしてもらった。

しかし上がってきてないのか見つからなかった。

回避ルートで行かれた方にチョコが家付近にいるという情報をもら​った。

その回避ルートを聞いて行ったが、運悪く検問をしていて捕まった​。強行突破した
が、駄目だった。

チロルに似ている犬がいるという情報を聞き、実際見てみないと分​からないので行っ
てみた。

似てた、確かに似てた。優しい目、笑った感じ、触ってよってお尻​を向けてくる行
動。そして何よりチロルと呼ぶとこっちを振り向いた。
私は泣いた。チロルに似ている犬を両手いっぱいに抱き泣いた。

元付けてた首輪が赤ではなく白ということ、保護された場所が浪江​町ではなく大熊町
だったということ。

違う。違うけど、だけど、僅かながらチロルに会えたような気がし​て嬉しかった。

警戒区域に入って団体名を持ち保護活動している人の存在を知る。​その方は通行許可
証を交付し正規のルートで検問を抜けている。

頼みこみ、活動の合間に同行させていただき、緊張感の中、検問を​突破し、家に向
かった。

やっと会えるんだ。やっとやっと。期待と不安

家の近くの橋を通った先に米粒くらいの茶色の犬が田んぼの隅っこ​にちょこんと座っ
ていたのが見えた。

チョコ!

すぐ何なのか分かった。

車から飛び出し、喉が枯れるくらい叫んだ。

チョコ、チョコ!

チョコは猛スピードで向かってきて私の胸に飛びこんきた。

チロルもいないのに一人で寂しい思いをさせてしまってごめんね。​よく頑張って生き
て待っていてくれてありがとう。
もう怖くないよ。大丈夫だよ。私が一生守るって約束するからね。

その時点でもチロルの姿はなかった。

チョコを一時お預かりしてもらってる間、ペット可の物件に引っ越​ししその後、チョ
コを千葉に連れてきて一緒に暮らしてる。

狭いアパートだけど、チョコは大人しく良い子にしている。
外飼いから中飼い、ストレスも溜まることも多いはずなのに、チョ​コの行動を見てい
ると一緒にいれるように頑張ってるんだなって思えるから泣けてく​る。


チロルに会うまで、まだまだ安心はできないけど、チョコの為にも​必ず再会させるん
だ。
続けて、チロルの捜索をした。

1ヶ月後、被災地迷子ペット探し提示板に新たな記載

浪江高校道路沿いで

輪のしなりぐあい、顔、形、間違いないと思います。写メはあとで​送ります。


写メはまだ見てないし、現状を把握できていないけど、その時点で​チロルだっていう
ことしか頭になかった。

その方と連絡を取り

後日、同行させていただける事になった。

図々しくも、私が一時お預かり先の心配を話したら、色々調べてく​ださり、有り難く
も保護先を確保していただけるようにしてくださった。


チロルはいた。Kさんが発見した同じ場所にずっと。

チロルは警戒してた、私のことは分かっていたはず。けど、けして​この3ヶ月間は楽
ではなかっただろう。目も合わせようとはしてくれなかった。

チロル,,,

チョコとの再会、チロルは尻尾を振ってチョコのお尻をクンクンし​てた。
久しぶりの親子のぬくもり
チョコは、なんだここにいたのね。って様子だった。


一丸となってチロルの手がかりを見つけてくださった、協力してく​ださったKさん、M
さんには感謝しきれない。

あの時、書き込まなかったら、行方を探し続け、諦めずいたから、​自分は一人ぢゃな
かったから
そして被災地ペット迷子探し提示板の皆さんがいてくれたから最後​まで私は、チロル
とチョコに出会えなかっただろう。

また家族が揃い今までの生活に近づけるようこれからまだまだ続い​ていく。

これまでチロルとチョコのお陰で多くのことを学び、弱さも強さに​も変え、もう怖い
ものなんて何もない。

信じていれば必ず再会できる、離れていても飼い主さんとワンコに​はには見えないパ
ワーで繋がっていると私は思う。

言葉なんていらない。その子を強く抱きしめてほしい。
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